特定非営利活動法人NEWVERY(所在地:東京都品川区、理事長:小崎文恵、以下「NEWVERY」)は、2020年3月31日、「教職協働による高大接続改革アワード」として中村産業学園 九州産業大学(所在地:福岡県福岡市、学長:榊泰輔、以下「九州産業大学」)の「九州産業大学WCVプロジェクト」を選出し、同プロジェクトが展開する、教職協働による高大接続事業のあり方を表彰しました。
◆「教職協働による高大接続改革アワード」とは
大学を取り巻く社会状況が大きく変動する中、各大学は教育、研究、地域貢献、大学運営など様々な面で改革を求められています。しかし大学が持つ予算や時間、教職員数などのリソースには限りがあるため、必ずしもすべての事業に対し、組織的な取り組みを十分な体制で行えるとは限りません。そこで近年では教員と職員が効果的に連携しながら、互いの特性を活かして効果的な業務を行う「教職協働」の必要性を訴える声が広がっていますが、実際の現場では教員側に負担が偏ってしまうなど、課題も少なくありません。
そのような現場の課題を解決する一助になるよう、NEWVERYは、大学進学時のミスマッチをなくすことを目的とした高校生対象の一日大学生体験プログラムWEEKDAY CAMPUS VISIT(以下「WCV」)を開発し、2013年4月から全国で展開してきました。2020年4月からWCVの運営体制を大きく変えるにあたり、これまでのWCVの取り組みの中で、教職協働を効果的に行いながら持続可能な高大接続のあり方を実現してきた事例を、今後のすべての高校、大学のモデルケースとして表彰することにいたしました。その結果、全国の取り組みの中から九州産業大学の「九州産業大学WCVプロジェクト」をこの度、教職協働による高大接続改革アワードに選出いたしました。
◆選出事業
九州産業大学WCVプロジェクト(2020年3月までの取り組みを対象として)
◆選出理由
- 1. 教員・職員の効果的な役割分担
- 2. 部署の垣根を越えたプロジェクトによる、継続性の高い運営体制および人材育成システム
- 3. エビデンスベースの企画運営
高校生が体験する授業は教員が通常通りに実施。その前後に行われるガイダンスや振り返りワークなどは職員を中心にしたプロジェクトチームが担当することで、教員の負担を抑えながら、多くの高校生が大学教育に触れられる体制を構築した。2014年のWCV導入以降の延べ参加者数は7,502人を数えている
WCVに関わる職員は、学内の様々な部署に所属。若手職員を中心とする自律的なプロジェクト型の取り組みにすることで、職員の人材研修も兼ねながら柔軟に企画・運営を行っている。これまでWCVプロジェクトに関わってきた職員は8部署、10人におよんでいる。
同大学が2018年度からスタートさせた「育成プログラム・育成型入試」では、WCVの受講を出願条件にするほか、独自の研修を経て専門性を高めた「KSUアドミッションオフィサー」が出願前の段階で高校生に面談を行い、その結果を高校側へフィードバックすることになっている。このKSUアドミッションオフィサーには、認定WCVコーディネーターの資格取得を義務づけるなど、WCVを全学的な職員研修の機会としても活用している。これは全国で初めての試みである。
九州産業大学では、中退率が2013年に約6%と比較的高かったことから、2014年より、WCV導入を筆頭に、学生との面談、LA(ラーニング・アシスタント)制度、学内での学生情報の共有など、中退者減少のための13の施策を開始。WCVをはじめ、これらの取り組みは教学IR(Institutional Research)の観点で継続的に効果を検証され、エビデンスに基づき改善を続けている。同大の中退率は2018年度の4.5%まで減少した。こうした継続的な取り組みが「育成型入試」など、同大が日本で初めて実施した、先進的な取り組みの基盤にもなった。
◆特定非営利活動法人NEWVERYについて
所在地: 〒141-0031 東京都品川区西五反田7-13-6 五反田山崎ビル5F
代表者: 理事長 小崎文恵
創立: 2002年3月(任意団体として創立)
設立: 2009年10月30日(設立登記日)
URL: https://www.legika.jp/
事業内容 : 人の成長チャンスをつくり出し、社会課題も同時に解決することをテーマとして、キャリア形成支援事業とコミュニティ・デザイン事業を展開